イライラちゃんとドキドキのブログ

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ネガティブ思考の意外な4つの原因とは?【不幸=異常ではないです。】

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 「イライラした時に感情をコントロールしたいけど、うまくできない。」 

「悲しい時は前向きに考えてみるけど、それで心が晴れたことはないな。」

 

自分のネガティブ思考を追い出したいけど、なかなかうまくいかずに悩んだ経験はありますか?

 

遊びや仕事で気をそらしたり、全く考えないように集中したりなど、色々と実施したにもかかわらず、逆に意識してしまう人は多いと思います。

 

それはもしかしたら、そもそもの「感情」に対する考えが間違っているのかもしれません。

 

今回は人が考えてしまいがちな幸福や不幸、感情などの誤解を4つ紹介します。

自分がこの4つに当てはまっていないかを考えながら、読み進めていただければと思います。

この記事は「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」という本の内容を紹介しています。


幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本)

 

 

その1:「人は幸福であることが通常で、不幸であることが異常だ」

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おそらく多くの人が「周りの人たちは皆、自分よりも幸福だろう」と思っているはずです。

しかし、実際には多くの人が幸せを感じていないのです。

この本で紹介されている統計データでは以下のような数字が出ています。

  • 5人に1人が生涯で鬱(うつ)になる
  • 人生のある時期に精神疾患をわずらう可能性は約30%ある
  • 成人の10人に1人が自殺を試みる

これらの統計データに加え、

  • 仕事のストレス
  • 人間関係の問題
  • お金の悩み
  • 健康の心配
  • 自身のコンプレックス
  • 孤独

などの不幸を感じる状態が合わされば人生は幸福であることのほうが少ないということがわかると思います。

 

このデータを見ても世の中の人たちは皆、自分よりも幸福を感じていると思えるでしょうか。

 

 

その2:「不幸を感じることは自分に欠陥があるということだ」 

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不幸を感じて苦しんでいると、「自分はなんて弱い人間なんだ、なんて愚かな人なんだ」と自分を責めてしまうことがあると思います。

 

しかし、人間はもともと不幸を感じやすいようにできているのです。

不幸を感じることは、自分に欠陥がある証拠ではなく、人としての機能が正常に働いているという証拠なのです。

 

人間は大昔の狩猟採集民だった頃から、食べる、寝る、子孫を残す、などの欲求よりも

「生き残る」という本能が一番の優先事項でした。

肉食動物や毒がある食べ物などの「危険」を予知して避ける能力が高かったのです。

そして時代は流れ、進化した現代人であっても、常に起こる出来事に用心し危険を避けるという本質的なところは変わらないのです。

 

現代人は、「マンモス」や「サーベルタイガー」などを警戒しない代わりに

「会社を首にならないか」

「告白して振られないか」

「テストでいい成績を採れるか」

などに恐怖しているのです。

 

つまり人が心配をしたり、不安を感じたり、絶望したりするのは人が生き残るために備わった機能であり、人に欠陥があるからではないということです。

 

 

その3:「幸福を得るためにはネガティブな感情を追い出す必要がある」

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人生はできるだけ幸福で満たすようにして、不幸はできるだけ追い出そうという考えを持っている人がいます。

確かに不幸を感じていたいと思っている人はいないと思います。

しかし、私たちの人生で価値を見出してくれるものには、常に幸福と不幸が伴います

 

例えば最愛のパートナーとの交流は喜びや愛を与えてくれます。しかし同時に、意見の衝突や価値観の違いから、失望やストレスを感じる時もあります。出会ってからずっとストレスを感じないような完璧なパートナーはいないということです。

 

また仕事を例にすると、大事なプロジェクトでは情熱や興奮を感じますが、失敗する恐怖や責任感によるストレスなども感じます。

 

最愛のパートナーは何度も意見の衝突や対立を繰り返して、分かり合うことで信頼を深められます。

そして仕事は苦労すればするほど、成功したときに大きな達成感を得られます。

 

人生に満足感を与えてくれる価値あるものは幸福と不幸の両面を伴うのに、不幸なものだけを無くしてしまったら、価値あるものを手に入れるチャンスを逃してしまう可能性もあるのです。

 

 

その4:「自分の思考や感情はコントロールできていないといけない」

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感情のコントロールは難しく、仮にできたとしてもネガティブな感情は一度コントロールしたからといってずっと消えるものでは無いのです。

 

今までのあなたの経験で、自分の感情をコントロールできたことはありますか?

特に疲れているときや、悲観的になっているときほどコントロールに失敗しているはずです。

 

仮に一時的にコントロールしてネガティブな感情を追い出せたとしても、しばらくするとまた戻って来たことはないでしょうか?

追い出して、戻ってきて、また追い出す。これを繰り返してしまうのです。

 

そして、感情のコントロールに失敗すると「自分は無力である」と感じてしまったことはないでしょうか?

  

ネガティブな感情は一度追い払うことが成功したくらいでは、完全に無くしてしまうとはできないのです。

 

だから、あなたの時間や労力を使って追い払おうとしたにもかかわらず、最後には失敗し自分の無力さを痛感してしまう可能性があるのです。

 

 

[最後に]

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今回は

「人生は幸福でなくてはいけない」

「感情はコントロールし、追い出さなければいけない」

といったような感情に対する、間違った思い込みについて紹介しました。

 

これらを意識しただけでもネガティブな思考に対しての捉え方が変わると思います。

この記事で紹介した内容は、ネガティブ思考と上手に向き合っていくための最初の一歩となります。

 

 

ネガティブ思考への改善策は、こちらをご覧ください。

o-atsushi.hatenablog.com

 

 

[参考書籍]

タイトル:幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない

著者:ラス・ハリス

出版社:筑摩書房


幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本)