夢を叶えたいなら、夢を見すぎてはいけない話
「何かを頑張りたくて前向きに考えても、いつも継続できないんだよね。」
「ポジティブ思考が、逆に気分をネガティブにしているのかもね。」
幸せになりたいなら、
人生で成功したいなら、
暗い事よりも前向きに、ポジティブに考えてみよう!
どうやら科学的には、正しくないようです。
今回は、願いを叶えたいなら、
「運に頼らない妄想をしよう」
について話そうと思います。
ポジティブ思考の罠
皆さんは何か叶えたい夢のためにやる気を出したい時、どうやってやる気を起こしていますか?
辛い気分を紛らわすために楽しいことを考えたり、夢が叶った自分を想像したりすると思います。
どうやらこの方法だと、 夢は叶いにくくなるらしいです。
こんな実験があります。
学生たちを対象に毎日数分間、中間テストで自分がいい点を取る姿を想像してもらいました。
すると、いつも通りに過ごしてもらった学生と比べ、勉強時間が下がってしまったのです。
また、ダイエットに関する別の実験もあります。
ダイエットに挑む女性に対し、食べ物の誘惑に負けずに我慢できている自分のイメージをしてもらいました。
その結果、ダイエットに失敗するネガティブなイメージをしたグループ よりも、減量に失敗してしまっていたのです。
上記2つの結果が起こってしまう理由として、
甘い夢ばかり考えていると、実際に挫折したときの準備ができず、現実逃避に走ってしまうからだと言われています。
ポジティブな想像は一時的に気分が上がりますが、結果にはコミットしないようですね。
「ワクワクする」「期待する」は時として危険
先ほどの実験結果からもわかる通り、
「期待してワクワクすればするほど、実際は期待外れになって落ち込む」
ってことがわかると思います。
だから、「ワクワクする」「期待する」は、目標達成においてデメリットではないか?という可能性が出てきました。
ところで、これらの感情って誰もが日常で何度も経験している感情だと思います。
「自分はネガティブ志向が強いから、あんまりワクワクする事はないよ」
と思う人もいらっしゃるかと思います。
でも、皆さんがよく利用しているSNS、YouTube、スマホゲームって、この感情をうまく引き出していると思いませんか?
例えば、
これらは、「もっと面白いものが見つかるかもしれない!」とワクワクさせることで、ユーザーが長時間使ってしまうのです。
現代に生きる私たちの身の回りには、ワクワクする感情を引き起こすような誘惑であふれているのです。
しかしワクワクする感情には、先ほどお話しした通り期待通りにならなかった時に失望してしまうというデメリットがあります。
つまり、ハマればハマるほど欲求は高まっていき、期待が大きくなった分だけ失望も大きくなるってことです。
加えて、その失望を紛らわすために、さらに期待を膨らませてしまうという悪循環が生まれてしまいます。
普段からネットサービスやゲームで中毒気味な人は、目標達成においても夢を見すぎてしまい、失敗してしまう可能性が高くなるのです。
じゃあ私たちは妄想してはいけないのか?
大きい期待をすればするほど現実逃避を起こし、現実とのギャップが開いていく・・
では、私たちは夢を叶えるためには、前向きな想像をしてはいけないのでしょうか?
実はそうではありません。
目標達成の成功率を高める方法を調べた研究がありました。
その研究で分かったことは、成功を高める要素の1つに「目標達成したときのプラス面を考える」があります。
「結局ポジティブ思考は、目標達成に必要な方法じゃん」と思われるかもしれませんが、実はこの実験でイメージした内容は、ポジティブ思考とは少し異なります。
この調査で目標を達成できた人たちは、あくまで「現実的なイメージ」をしていたのです。
「現実的なイメージ」とはつまり、「このイメージは、理想と現実が離れすぎていないだろうか?」と言うことです。
もっと簡単に言うと、運の要素が多すぎるイメージじゃないよね?ってことです。
例えば、
残業していると、片思いの同僚が偶然オフィスに入ってきて、話しかけてくれた。
普段はあまり話さないのにその時は話題が盛り上がり、そのまま2人で飲みに行くことになった。
会社の重大なプロジェクトに何故か自分が招集され、メンバーの一員になった。
プロジェクトはいろいろ大変だったけど、メンバー同士で助け合って大成功に終わった。その成果が認められ会社から評価されるようになる。
上の2つの例にように、自分ではコントロール できない運の要素が強い妄想は目標達成から遠のいてしまいます。
逆に
- 自分が今頑張っていることを続けた時に、手に入れられるもの
- 今の自分がやれる行動によって、自分が得られるメリット
上記のように、今の自分が継続できれば実現できるレベルのイメージをすれば、モチベーションは上がり目標達成の手助けをしてくれるはずです。
例えば妄想するなら、
「覚えた会話術で、好きな異性に信頼を与えているイメージ」
「プログラミングを勉強しているなら、仕事の業務を効率化するツールを作り仕事が楽になって、残業が減るイメージ」
などですかね。
最後に
今回は、夢を叶えるために必要な考えについて説明してきましたが、
「ワクワクする」「期待する」という感情はデメリットばかりだと言いたいわけではありません。
私たちは「この先に良い事が起こるかも」とワクワクすることで、絶望するのを避けて新しい挑戦に踏み出すことができるからです。
しかし先ほども説明した通りSNSやゲームなどによって、これらの感情に依存していくと、自分が叶えたい夢に支障が出てしまう可能性があります。
期待する気持ちを抑えるのは、難しいことだと思います。
自分だって、TwitterやYouTubeに多くの時間を費やして後悔してしまう時があります。
それでも、少しずつ「今の自分」に目を向けていけば、いつかは目標を達成できることを証明してくれるような研究結果だったと思います。
以上で終わります。