ネガティブ思考の改善【イライラの抑え方は、長所を知ることです】
「イライラして、何も手につかなくなる。」「怒りを何とかしたいけど、抑えられないよ。」
怒りは、不快で、嫌なもので、自分を不幸にするものだと思っている人が多いと思います。
今回の記事で、「無くしたい」「避けたい」と思われがちな「怒り」に関するメリットをお伝えします。
この記事では、3つのステップであなたの「怒り」の捉え方を変えていきます。
「怒り」は、そこまで悪いものではないんだなって、少しでも思えるようになれればと思います。
~参考書籍~
イライラの抑え方ステップ① ネガティブ感情をなぜ避けたいのかを知る
まず怒りの抑え方を学ぶ前に、ネガティブ思考で重要な考え方をお伝えします。
それは、「ネガティブ感情は避けるべきものではなくて、今の自分の状況に対するアラートだということ。」です。
つまり、今の状況をより良くするために、危険を知らせてくれる通知機能を持ったツールだと考えるのです。
「いや、ネガティブな感情をそんな便利な道具みたいに考えられないよ。」と思われるかもしれません。
なぜ怒りや悲しみなどのネガティブ感情に対して悲観的になってしまうのでしょうか?
それは、私たちがネガティブ感情に主に4つのイメージを持っているからです。
[ネガティブ感情に4つのイメージ]
- ネガティブ感情は自分を不快にする
- ネガティブ感情が襲ってきたら、抜け出すことができない
- ネガティブ感情は自分の平常心を失わせる
- ネガティブ感情を表に出したら、周りの人は不快になる
これらの要素は確かにありますが、これらはあくまで「ネガティブ感情のデメリット」の部分だけです。
ネガティブ感情は、デメリットだけでなくメリットについても知らなければ、正しく扱うことができないのです。
例えるなら、バトルゲームで自分が戦うためのキャラクターや武器の特性を知らなければ、使いこなせないのと一緒という訳です。
自分で使いこなすためには、そのキャラクターや武器のデメリットの部分だけではなく、メリットの部分も知る必要があります。
感情に関しても、同様のことが言えるのです。
なので、次に「イライラ、怒り」に関する5つのメリットを説明します。
イライラの抑え方ステップ② 怒りのメリットを知る
怒りは、以下のメリットがあると言われています。
[怒りのメリット]
- 楽観的になる
- 創造性が増す
- 仕事の効率を上げる
- 交渉で優位に働く場合がある
- 不当、不正な脅威に対する怒りが、集団を結束させる
以下に1つずつ説明していきます。
1.楽観的になる
ある実験で、被験者にリスクの度合いを確かめるためのゲームをしてもらいました。
このゲームを行う前に、一部のグループに少しの怒りの感情を芽生えさせておきました。
すると、怒りを植え付けられたグループは、そうでないグループに比べて大きなリスクを取る傾向があったそうです。
別の実験では、一部の参加者に怒りの感情を植え付けた後に、リスクに関するいくつかの質問をしました。
結果は、怒りを持った参加者の方が、それらのリスクに前向きに考える傾向があったそうです。
以上のことから「怒り」は、脅威に立ち向かうための、行動の準備がなされた状態だと考えられているのです。
2.創造性が増す
創造性を図る実験として、「レンガの使い道」を考えるテストを行ったそうです。
普通、レンガは家を建てるために用いますが、例えば、ドアストッパー、踏み台、飛び道具といったユニークな使い道を考えるという実験です。
怒りを植え付けた一部の参加者にこの実験を行ったところ、一部の人は創造性が多く引き出されたのです。
ただし、怒りを植え付けられた人たちの中で、逆に創造性が低下した人たちもいました。
彼らは、自制心のない人だったり、反抗的な人だったりしたそうです。
創造性が上がったのは、実験のルールを理解し怒りを自制しようとした人たちだったのです。
3.仕事の効率を上げる
例えば、上司が苛立ちを表したら、部下がテキパキと仕事をするようになったという話が分かりやすいかもしれません。
職場に緊張感が走り、たるんだ気持ちが無くなるので仕事が進みやすくなるのです。
しかし、怒りを多用することは良くない状況を作り上げます。
いくら仕事が進むからと言って、常に上司が苛立っていれば職場環境としては最悪です。
大事なのは、怒りの大きさではなくて使用する状況だということです。
4.交渉で優位に働く場合がある
ある実験で交渉の場を想定して、価格交渉を参加者にしてもらったそうです。
すると、怒りを表す買い手に対して交渉したときは、売り手の参加者はあまり強い要求ができず、最終的には想定した利益の33%の値引きで了承したそうです。
(怒りを表さない買い手を相手に交渉した場合は、ここまでの有利性はなかったそうです。)
このように、怒る相手は強いと思われるため、相手よりも優位に立ちやすいということらしいです。
交渉の場で、よく怒ってくるお客さんは、怒りの効果をわかってやっているのかもしれません。
5.不当、不正な脅威に対する怒りが、集団を結束させる
皆さんは、差別や偏見によって苦しむ人たちを知った時、社会や組織に憤りを覚えて何か行動しようと思ったことはないでしょうか?
世界で行われているデモや運動などの利他的行為は怒りから生じている場合が多いのです。
世界の不平等さや不公平さを正すために大勢の人が行動したことによって、法律やルールが変った出来事が過去にいくつもあります。
怒りは人々を動かすための原動力にもなるのです。
以上で5つのメリットについて説明を終わりますが、ここで言いたいことは「怒ればどんな状況も良くなる」という訳ではないです。
怒ることによって、逆に状況を悪化させてしまう場合は多くあります。
大切なことは、適切な状況で、適切な相手に対して起こった場合は、怒りのメリットが作用して状況の改善につながるということです。
イライラの抑え方ステップ③ 実際にイライラしたときにどう対処するかを知る
イライラしたときに、怒りのメリットの恩恵を得られるようにどう対処すればいいのか?について説明します。
以下の2つです。
- 怒りを感じて不快になったことを表に出す
- 怒りを数値化する
1.怒りを感じて不快になったことを表に出す
まず皆さんもご存じの通り、怒りを押し殺してしまうことは悪影響をもたらします。
ある研究では怒りを我慢すると、気管支炎や心臓発作を起こる確率が高く、寿命が短いという結果があるそうです。
怒りの感情を表に出す方法は、
- 相手に伝える
- 紙に書く
- 仕草で表す
などあります。
相手に怒りを伝える時は、伝え方に注意しましょう。
「自分の感情が高ぶっているから、ちゃんと話せるかわからないけど、、」 などの前置きを話してから、感情が高ぶった原因を相手に話してみましょう。
怒りの感情を紙に書きだす行為は、人に話すことよりも長期的に見て効果が高いそうです。
書いた紙は自分だけしか見れないようにすればいいし、捨ててしまってもいいので気軽に行えますね。
また会話や紙に書く以外にも、テーブルに強く手をつくとか、自分の手を強く握るといった怒りを体で表すようなことも怒りを伝える手段として有効です。
怒りを数値化する
「イライラしているときは冷静に対処なんてできない。」と思われるかもしれません。
そんな時は、怒りの数値化をするように心がけてみましょう。
例えば、今自分がイライラしたときに「今のイライラを数値で表すなら、0点から100点中何点なのか?」と質問してみてください。
(例えば、メンタリストDaiGoさんが以前YouTube動画で紹介していた内容を参考にすると、0点が全く怒りを感じていない、100点が殺意を抱くほどの怒りもしくは、過去に1番怒った時の出来事など)
これをすることで、客観的な視点で考えることができます。
また、「今まで1番怒った出来事に比べたら、まだマシだ」と思えるようにもなり、冷静さを取り戻すことができます。
イライラの抑え方 ~最後に~
最後に、前にメンタリストDaiGoさんのネガティブ感情に関するYouTubeの動画で話されていた例え話を紹介しようと思います。
ネガティブ感情は、「包丁」を使うことと似ています。
包丁は、食材を切ることができる便利なものです。
しかし、包丁の刃の向きを自分に向けて使えば、自分を傷つけてしまう危険なものでもあります。
ネガティブ感情も同じです。
包丁のように「食材を切る」という使い方がわかっていれば、強力で便利な道具となります。
しかし、私を含めてネガティブ感情の使い方を知らない人は多いはずです。
知らなければ、自分を傷つけるものだと認識している人もいると思います。
なので、ネガティブ感情のメリットや使い方を知ることによって、「怒り」などの避けたい感情が悪いものだとは思わなくなり、ネガティブ感情に苦しむこともなくなると思います。
以上です。
~参考書籍~