ネガティブ思考の改善【罪悪感が辛いなら、メリットを知ろう】
「ダイエット中に、つい甘いものを食べてしまった・・」 「勉強を毎日しようと思ったけど、すぐに挫折してしまった・・」
何かに失敗して落ち込むと、誰もが罪悪感から早く逃れたいと思うはずです。
よく「罪悪感は捨てたほうがいい」というアドバイスがありますが、本当にそうでしょうか?
結論から言うと、罪悪感は「自分の過ちを正しく自覚し、行動を改められる」という力があります。
~参考書籍~
罪悪感のメリットとは?
繰り返しますが、罪悪感は自分の失敗や間違いを正しく認識して、自分の行動を変えていける力があります。
罪悪感のメリットの説明しとして、 罪を犯した服役囚の再犯率に関するデータがあります。
統計上、元服役囚の再犯率は高いのですが、罪悪感を抱きやすい服役囚の再犯率は少ないと言います。
罪悪感を抱く服役囚は、自分の過去の過ちに苦しんだり、謝罪したり、問題の後始末をしようとするそうです。
罪悪感は自分の行動が、周りにどんな影響を与えてしまったのかを考えさせてくれるため、自分の意志で正しく行動しようと思えるのです。
これが罪悪感によるメリットです。
罪悪感を抱いても、なぜ過ちを繰り返すのか?
「私は罪悪感を抱きやすいけど、何度も同じ失敗を繰り返してしまう。」
そう思っている人もいらっしゃると思います。
運動や勉強が続かなくて罪悪感を抱いても、何度も努力を継続することができずに挫折してきた人はいるはずです。
結論から言うと、その原因は「罪悪感」ではなく「恥」の感情を抱いてしまっているからです。
恥と罪悪感は似ていると思われますが、その内面やそれらが与える影響は大きな違いがあります。
恥の感情が混ざっていると、人は負のスパイラルに陥る可能性があるのです。
このことは、断酒に関する研究からもわかります。
この研究は、断酒に取り組んでいる参加者に面接をして、その後の断酒の進捗について調べたそうです。
参加者は、断酒中にお酒を飲んでしまった過去の失敗を面接で話しました。
実験結果は、失敗の話をしている時に恥を表す兆候(肩を落としたり、胸を抱え込むように縮こまったりする態度など)があった人は、その後飲酒してしまう頻度が圧倒的に多かったのです。
恥を示した参加者は、4か月で平均117.89杯もの酒を飲んでいたのです。
しかし面接中に恥を示さなかった人は、4か月間で平均7.91杯に留めることができていました。
このことからも、「恥」を抱いてしまうと、立ち直ることが難しいことがわかります。
恥の感情のデメリットとは?
なぜ、恥の感情は状況を悪くさせてしまい、罪悪感は行動を改善できるのでしょうか?
罪悪感は感じた直後だと不快になりますが、長い目で見れば自分の成長につながるのです。
例えば、皆さんは罪悪感で落ち込んだときに、償いのために誰かの役立とうと思ったことがないでしょうか?
これは罪悪感を抱いて自分の行動が周りにどんな影響を与えるかを知ったことにより、気遣いや配慮ができるようになったからです。
(「俺はなんてことをしてしまったんだ・・・・」のような感じ)
しかし、恥は違います。
恥の感情は、問題を悪化させてしまう可能性が大きいのです。
理由は、恥をかけば不安と攻撃性が増し、周囲から孤立してしまうからです。
例えば、
- 先生に怒られて、廊下に立たされる
- 交通違反をしたドライバーの車に、違反者だとわかるプレートを取り付ける
- 学校で自分の子供が悪い行いをした回数や内容を、表にして壁に張り出す
もし自分がこんな体験をさせられたら、「自分の行動を直そう」という気持になるでしょうか?
むしろ周囲から馬鹿にされるのを恐れたり、恥をかかせた人に怒りを感じたり、周囲の人間関係から孤立しまったりすると思います。
細かく説明すると、罪悪感と恥は以下の通り違いがあります。
[罪悪感]
- 自分の行為と、それによって影響を受けた人たちに注目する
- 自分が取った行動に対して不快に思う
- 緊張感と後悔を覚える
- 悪い結果に対して、自分は何かができると思う
- 落ち込んだ気持ちを修復させて、償いたいと思う
- 悪かったのは自分だと思う
[恥]
- 自分という人間自体に注目する
- 自分自身を不快に思う
- 身をすくめたり、現実を避けたり、逃げたいと思う
- 悪い結果に対して、自分は何もできないと思う
- 隠れたいと思うか、それができないと自分や他人に対し攻撃的になる
- 他人を責める(悪いのは自分じゃないなど)
あなたが過去に罪悪感だと思っていたことは、もしかしたら恥かもしれません。
なので今後は、恥を感じそうになったら罪悪感に置き換えて受け止めるようにしましょう。
つまり、自分が間違えた行動をとってしまったら、自分自身を責めずに自分の行動に着目して考えてみるということです。
恥を捨て、罪悪感を抱くには?
では、何か失敗してしまった時に恥じてしまう気持ちを抑えて、罪悪感を抱くためにはどうすればいいのでしょうか?
それは先ほど説明した、恥と罪悪感の違いに着目して考えてみることです。
恥の感情が沸き起こってしまった時は、以下3つのことを考えてみましょう。
- 自分がどんな行動をしたか?(※自分の人格や、自分自身には注目しないこと)
- それが相手(または自分自身)にどんな影響を与えてしまったのか?
- 次からはどんな行動をとればいいか?
大切なのは、これら3つを自分の力で考え出すことです。
加えて、自分の行動によって他の人たちを苦しませてしまわないためにも、
- 自分が今行っている行動は、人のためになることなのか?そうではないか?
- 自分が行っている行動は、自分がより良い人間になるために役立つだろうか?
ということを、日常生活の中で振り返ることも有効です。
以上で、終わります。
~参考書籍~