ウィルパワーとは?感情のコントロールや判断力を鍛える力の正体
「授業や勉強時間は全く集中できない」
「なんであの人は、すぐに集中できるのだろうか?」
集中力が高い人もいれば、すぐに気が紛れてしまい、なかなか集中できない人もいます。
「集中力の高さは生まれつきによって決まってしまい、努力で高めることはできない。」
そう思われる人もいるかもしれません。
しかし、集中するためのメカニズムを知れば、集中力を鍛えることは可能です。
誰でも集中しやすい人に変われるのです。
「集中できない」「すぐ気が散りやすい」と思っている人は、日常生活の中で知らないうちに、集中を邪魔する影響を受けているのです。
今回は、集中の源と言われている「ウィルパワー」と呼ばれる力についてと、ウィルパワーを鍛える方法、そしてウィルパワーの消費を抑える方法についてご紹介します。
ウィルパワーとは?
ウィルパワーとは、思考や感情をコントロールする力だと言われています。
人間の脳には「前頭葉」という、主に思考や判断の機能を持つ部分があり、ウィルパワーはその働きを行うための「力」となります。
集中力の源と言われているウィルパワーは、怒りを鎮めるなどの「感情のコントロールをする」ことや、仕事で発生したトラブルの対処法を考えるなどの「判断をする」ことによって消費されていくエネルギーです。
ウィルパワーは仕事でも趣味でも消費される
よく「仕事は仕事」「遊びは遊び」で、仕事とプライベートを分けて考えている人がいます。
ウィルパワーの観点だと、仕事も遊びも1つの同じエネルギーを消費して判断や行動をしています。
理由は、ウィルパワーは以下の3つをするときに消費されるからです。
- 何かをやろうと「行動」するとき
- 何かをやらないように「我慢」するとき
- 何か自分が「望むもの」を考えるとき
つまり、
- 「今日のスーツは何を着ようかな?」→何かをやろうと「行動」するとき
- 「彼女から悪口を言われたけど、怒らず我慢した。」→何かをやらないように「我慢」するとき
- 「次の会議で発表する企画書は、どんな感じに作ろうかな?」→何かをやろうと「行動」するとき
- 「お客様からクレームが来た。どのように対処しようかな」→何かをやろうと「行動」するとき
- 「そろそろ自分の仕事のキャリアについて、考えてみようかな」→何か自分が「望むもの」を考えるとき
上記のすべての出来事は、共通してウィルパワーを消費しているのです。
別の例を挙げると、残業して仕事から疲れて帰ってきたら何もする気が起きないということがよくあると思います。
これは肉体的な疲労だけでなく、ウィルパワーが残っていないことにも原因があるのです。
また、会社に出勤しても仕事のやる気が出ないという日もあると思います。
これも、もしかしたら会社に到着する前にウィルパワーを無駄に消費してしまっているのかもしれません。
具体的には、満員電車はストレスを感じ、ウィルパワーを消費してしまうなどです。
このように、仕事やプライベートで多くのウィルパワーを消耗すれば、もう片方にも影響を与えてしまうのです。
よって、集中力を高めるためには1日の生活習慣を見直す必要があります。
集中力を高める方法とは?
集中力を高めて感情を上手にコントロールしたり、いつでも的確な判断ができるようになったりするためには、大きく分けると以下の2つのアプローチが必要になります。
- ウィルパワーを無駄に消費しないように生活する
- ウィルパワーの量を増やして、疲れにくくする
それでは、上記の2点の内容をご紹介していきます。
1.ウィルパワーを無駄に消費しないように生活する
ウィルパワーを無駄に消費しないようにするためには、「習慣化」「朝の行動に注意する」「先延ばしをしない」の3つが挙げられます。
日々の行動を習慣化する
習慣化することにより、ウィルパワーの消費を抑えることができます。
例えば、朝の歯磨きやジョギングが習慣化されている人は、何も考えずに行動できているはずです。
習慣化することによって、行動を起こす前の判断が不要になり、余計なウィルパワーを使用せずに行動できるのです。
習慣化できそうな行動の例を挙げると
- 着る洋服を迷わないように事前に決めておく
- 昼飯、夕飯などは何を食べるかを悩まないようにする
などです。
朝はウィルパワーが1番多い時間帯。なるべく無駄な判断をしないこと
消耗したウィルパワーを回復させるためには、睡眠が必要となります。
なので、朝目覚めたときが、ウィルパワーの最も補充されている時間帯となります。
つまり、自分にとって重要な作業は午前中に実行することで、生産性を上げられるということになります。
しかし、見なくてもいいメール、ネガティブな内容のSNS投稿、自分に関係のないネットニュースなどの情報を見るだけでも、その情報を判断するためにウィルパワーを消費してしまいます。
なので、朝はそれらの情報になるべく触れないようにしましょう。
前述したように満員電車もウィルパワーを消費するため、こちらを避けるのも対策として挙げられます。
面倒な仕事のタスクは先延ばしにしない
後でやろうと思って先延ばししてしまうと、脳がそれを覚えています。
先延ばしをしている間は、ずっとウィルパワーをじわじわと消費し続けているのです。
なので、面倒なタスクには以下の対処が必要です。
先延ばしせずにすぐ着手する
脳が覚えてしまうなら、すぐにそのタスクを終わらせて、忘れたほうがストレスもなくていいですね。
脳に「そのタスクを覚えておく必要がない」と認識させる
どうしてもすぐに着手できないタスクの対処法です。
面倒なタスクが発生する度に、付箋などにそのタスクを書き留めておき、時間が空いたときに溜まった付箋に書いてあるタスクを一気に処理する方法です。
こうすることによって脳に「後でやるから覚えておく必要はない」と認識させることができるため、先延ばししてもウィルパワーの消費を抑えられるはずです。
2.ウィルパワーの量を増やして、疲れにくくする
次に、ウィルパワーの量を増やす方法を紹介します。今回ご紹介するのは、「姿勢」と「瞑想」の2つです。
常に姿勢を正すように意識して過ごす
普段あまり気にしていない姿勢について、注意しておくことはウィルパワーを鍛えることにつながるようです。
このほかにも、
「利き手とは逆の手で歯磨きや食事などの生活を行う」
などの普段の生活の中で無意識に行っている事に意識を向けてみると効果があるようです。
瞑想する
瞑想はストレス対策として効果があることは多く知られていますが、ウィルパワーの強化にも影響を与えてくれます。
瞑想も前述した姿勢を正すことと同じように、呼吸にだけ意識を向けることで集中力を高めることができます。
瞑想の実施方法はいくつかありますが、1例をあげると
- 背筋を伸ばして姿勢を正す(立って行っても、座って行ってもどちらでも構いません。)
- 呼吸に意識を向けて、ゆっくり呼吸をする
- 意識が呼吸から反れてしまったら、また意識を呼吸に戻す
上記3点に注意して行います。最初は慣れていないと思うので5分程度の短い時間から徐々に瞑想の時間を伸ばしていきましょう。
最後に
今回話した通り、人の集中力はウィルパワーが源となっており、努力次第で鍛えることもできるのです。
また日々の生活の中で、いかに無意識にウィルパワーを消費しているのかがわかったと思います。
同時に、それらの行動を防ぐことができれば、きっと自分がやりたいことに集中できるはずです。
そして、その時は自分の生活習慣も変えることができているはずなので、自分を変えたいと思った方は、ウィルパワーを意識してみてください。
以上でウィルパワーに関する説明を終わります。
~参考書籍~