仕事の割り込み対策 仕事の邪魔となる緊急依頼の正しい対処法
「予定通りに仕事をしようとしたら、急に電話がかかって対応しなくちゃいけない」
「これお願いできますか?、、、で断れずに仕事を引き受けてしまう」
このように仕事をしていれば、緊急のタスクや急なお願いは頻繁に発生します。
どんなにスケジュール通りに仕事をしようとしても、他の人からお願いされる仕事をコントロールするのは難しいです。
今回は、このような突発的に発生する割り込みタスクの対処法についてご紹介します。
~参考書籍~
仕事の割り込みがもたらす影響
まず、割り込みの仕事にうまく対処できないと、どのような問題が発生するかを以下にまとめました。
- 自分がやるべき仕事が進まず、毎日残業の日々
- 自分がやらなきゃいけない作業を未着手のままにしてしまう
- 周りからは、その人がどんな仕事をしているのか把握できない状況になる
- 周囲が把握できないから、特定の人に業務が偏ってしまう
割り込みの仕事は、お願いした人と、された人の2名だけしか把握していない場合が多いのです。この突発的に発生するタスクを、いかに可視化できるかが重要になります。
どうして割り込みの仕事を優先してしまうのか?
多くの人は、割り込みの仕事が発生した場合、その仕事を優先して対応します。
前述の割り込みがもたらす影響でも述べたように、割り込みタスクによって多くの問題が発生してしまうのに、人はどうして割り込みタスクを優先して着手してしまうのでしょうか?
理由は大きく分けて以下の2つあります。
- 時間割引
- 仕事をやっている感を味わいたい
上記2点について、詳しく述べていきます。
時間割引
時間割引とは行動経済学の用語で、「人は現在の価値よりも未来の価値を割り引いて考える」傾向があること指します。
具体的には、
- 今1,000円もらえる
- 半年後に2,000円もらえる
1.と2.では、あなたはどちらを選ぶでしょうか。
この場合、多くの人は1.のほうを選びます。
この時間割引を仕事で例えると、
- 目先の割り込んできた仕事
- 期限が3日後の、自分にとって重要な仕事
となります。2.の重要な仕事が、1.の割り込んできた仕事によって、重要度が割り引かれて認識されてしまいます。
仕事をやっている感を味わいたい
割り込み作業を対応すれば相手から感謝されたり、問題を解決した実感を持ったりと、達成感を味わうことができます。
反対に、自分がやるべき仕事は
仕事を終わらせても誰からも評価されなかったり、
成果がすぐに出なかったり、
地味な作業の連続だったり、
する場合もあります。
割り込みの仕事をすぐに対応してしまうのは、「仕事をした」という達成感を味わえることを知っているからこそ、望んで実施している場合もあるのです。
また、「割り込みの仕事を対応していたから、着手できなかった」と理由をつけたいがために、初めから失敗したときの言い訳を用意しようとする心理的な原因もあります。
仕事の割り込みの対策と種類について
では、割り込みタスクの対処法について説明します。
対処法は以下の3ステップとなります。
ステップ1:可視化
ステップ2:共有化
ステップ3:向き合い方
今回は、最初のステップ1の「可視化」についてご紹介していきます。
仕事の割り込みの種類
最初の「可視化」で重要なことは、割り込みタスクを1人で抱え込まず、皆に共有するために記録をすることです。
「記録と言われても、何をどう記録していいかわからない。」と思われるかもしれません。
タスクの内容、時間、優先度など記録する要素はいくつかありますが、その中でも発生した割り込みの種類を分類することが重要となります。
理由は、この種類を分類することで割り込みが発生する傾向や、対応の問題点を把握することができるからです。
では、割り込みにはどんな種類があるのかを、具体例と合わせて説明していきます。
- 「添付ファイルを間違えて、相手にメールしてしまった。」→業務上のトラブル
- 「社内の交通費精算システムの障害で、経費精算できない」→システムトラブル
- 「これ、急ぎで対応してほしいのだけれど。」→突発オーダー
- 「この前、送った申請依頼の対応ってまだ終わってないのですか?」→クレーム
- 「この書類の申請方法がわからないので教えてほしいのですが。」→問い合わせ
- 「月末までに、管理台帳を作って提出してほしいです。」→要望
また、チーム内部の要因として、
- 「システムの点検日は、本当にこの日でいいのかを念のためシステム管理者に確認しておこう」→予防措置
- 「この作業の手順書は、個々の部分がわかりづらいから、修正しよう」→改善提案
もあります。
これらを分類するだけで、自分がどのような割り込み作業を実施しているのかを把握でき、他の人に共有することが容易になるのです。
割り込みタスクが発生した際は、すぐに対応する前に、「このタスクはどんな種類だろうか?」を考えてみてください。
最後に
対処法で説明した残りのステップの詳しい内容に関しては、別途記事を用意しますので、そちらをご確認いただければと思います。
続きはこちらの記事へ(ステップ2の「共有化」について)
割り込みタスクは1人で対処し続けると、いずれ苦しくなります。皆で共有し対策を検討するために、まずは皆の理解を得られるような記録をする必要があります。
記録することは最初は大変かもしれませんが、「可視化する」ことで、結果としてチーム全体の効率を高めることに繋がるのです。
以上で割り込みタスクの対策の紹介を終わります。
~参考書籍~