仕事の人脈作りは「弱いつながり」を利用する
「仕事で新しいアイデアが浮かばなくて困っている」
「今の業務で自分が抱えている悩みや問題の対処法などが考えつかない」
仕事で課題や問題にぶつかって悩んでいるときは、自分1人だけで考えたり、気の合う友人や同僚、同じチームのメンバー同士で相談したりすると思います。
しかし、それでも解決できないときはあるはずです。
もっと別の視点からの意見が欲しい時や、異なる価値観を持つ人から刺激を受けたいと思う時もあるはずです。
そんな時は、他のチームの人や、普段会話していない知り合いなどの「弱いつながり」を利用することで解決できるかもしれません。
「弱いつながり」は、大きなメリットを生み出すことができるのです。
今回は、自分があまり交流をしない人たちなどを指す「弱いつながり」についてと、どのように「弱いつながり」の人たちと人脈を作り、助けを得ることができるかについてご紹介していきます。
3種類の「人のつながり」について
人と人とのつながりには3種類のあると言われています。
それは、「強いつながり」、「弱いつながり」、「つながり無し」です。
「強いつながり」は親友や同僚など、心から信頼できる人を指します。「弱いつながり」は交流する頻度が少なく、ちょっとした知り合い程度の関係を指します。最後の「つながり無し」は全く交流のない人たちです。
強いつながり:親友や同僚といった心から信頼している人
弱いつながり:ちょっとした知り合い
つながり無し:全く交流していない人
「弱いつながり」とは、同じ会社で働いているが、ほとんど交流がないチームの人だったり、他の企業に働いている同業の人だったりが含まれます。
この「弱いつながり」を育てることにより、大きなメリットを得ることができると言われています。その理由については以下に説明していきます。
「弱いつながり」が持つメリットとは
人は、自分の人脈の「弱いつながり」が与えてくれる力を過小評価してしまいがちです。
しかし「弱いつながり」と交流することは、「強いつながり」の人には持っていない異なる知識や考え方に触れるチャンスであり、新たなアイデアや視点を生み出すメリットがあります。
なぜなら、強いつながりは同じ人脈のネットワークの中だけで交流するので、周知の情報しか得られないことが多いからです。
しかし、弱いつながりは異なる人脈のネットワークに属している人が多く、自分の知らない新しい情報を発見することができるのです。
例えば、会社の同僚との飲み会では、いつも決まった話題を話すのに対し、同窓会などで久々に合った大学の同級生との飲み会では、予想以上に盛り上がったことはないでしょうか。
これは、過去の思い出話で盛り上がるからだけでなく、合わなくなってから、お互いが手に入れた情報を意見交換することで新しい刺激を得られるからでもあります。
だからと言って「強いつながり」よりも「弱いつながり」の人に悩みごとを相談するべきと言いたいわけではありません。前述したとおり、すでに持っている「強いつながり」には信頼関係が構築されおり、実際に信頼している友人に悩み事を相談して解決したケースもあるはずです。
理想としては、「強いつながり」の信頼関係から得られる情報と、「弱いつながり」から得られる新しい情報をセットで利用できるようになることです。
「弱いつながり」の人脈を作る「リコネクティング」とは
「リコネクティング」とは、すでに皆さんが持っている人脈の中から「弱いつながり」の人たちに、再び連絡を取ってみることです。
連絡方法は、電話でもメールでも会話でも構いません。
常に「リコネクティング」を意識し、最近話していない人と定期的にメールのやり取りをしてみたり、悩みや問題を抱えたときに「弱いつながり」の人に相談してみたりしましょう。
例えば「この人とはあまり関わりがないけれども、人間関係の問題解決について詳しいはずだから相談してみたいな」と思う人がいれば、思い切って話しかけてみましょう。
とは言っても、「いきなり何年も会っていない人、もしくは他のチームに所属している人に対して相談をしたら、迷惑がられて断られるだろう」と不安に思われる人もいるはずです。
しかし、リコネクティングをする際の話し方を少し工夫することで、相手からサポートしてもらえる確率を高めることができます。
以下にその方法について説明していきます。
「リコネクティング」を成功させる2つの方法とは
「リコネクティング」の成功率を高める方法は以下の2つです。
・話しかけた際に、相手の長所に触れた会話をする
・出会った相手の長所を記録する習慣をつける
詳しく説明していきます。
話しかけた際に、相手の長所に触れた会話をする
相手に話しかける際は、相手の長所や特技などの特徴に触れた会話を心がけることです。
人から何か頼まれごとをされた時のことを想像してみてください。
その人が、「○○さんは、××について詳しかったですよね?少し××について質問したいことがあるのでが、」
と言われたら、自分の得意なことで質問されているので悪い気はしないと思います。
むしろ、自分の得意分野で人の悩みを解決できることに嬉しさを感じ、協力的になるはずです。
例えば、自分が夢中になっているゲームの攻略方法や、良く買っているブランドの洋服のコーディネイトや、何度も言っている旅行先のオススメ観光スポットなどの質問をされた場合は、喜んで話すと思います。
人は自分の好きなことや得意なことで誰かから頼られると、自分が役立っていると感じ、喜びを感じます。つまり、助けられた側も、助けた側もいい気分になるのです。
加えて、あまり交流がなかった人が自分の長所を覚えてくれていたことに対しても、好感が持てると思います。
出会った相手の長所を記録する習慣をつける
相手の長所に触れて話しかけるためには、普段から「弱いつながり」の人の得意なことや特徴を覚えておく必要があります。
なので、出会ったタイミングでその人に関する情報を記録する習慣をつけておくことがオススメです。
例えば、交換した名刺に、後で相手の外見の特徴や好きなこと、印象的だった会話の内容など、その出会いで知ることができた情報を記載しておくことで、名刺には相手の名前とその人の特徴をセットで記録することができます。
いつでも見返せる名刺やメモ帳に記録しておくことで、リコネクティングしようと思ったときに、相談相手を的確に選択することができるのです。
最後に
人は心の中では、自分が頑張っていることに対して「認められたい」という欲求を持っています。
「リコネクティング」の最大のメリットは、お互いにとって喜びや幸福感を与えることだと思います。
助けられた人は問題を解決できるメリットを生み、助けた人も自分の得意分野で人助けをすることができたという実感により、幸福感を得られるのです。
例えば近くの席にいるけど別のチームの人は、なかなか話す機会がないかもしれません。
しかし、近くに座っているからこそ、あなたの悩みを知り、その解決策を考えてくれているかもしれません。
あなたが悩みを抱えて苦しんでいるなら、思い切って相談してみましょう。
話しかける際は不安になるかもしれませんが、リコネクティングのメリットを思い出して勇気を出して話しかけてみてください。