東京2020パラリンピックに向けた渋谷の取り組み
今回の渋谷区ニュースは、東京2020パラリンピック競技大会を盛り上げるために活動している「パラスポーツを応援する草の根運動の会(通称:パラ草の会)」のインタビュー記事になります。
渋谷区の町会、PTA、ガール・ボーイスカウトなどの様々な団体やグループから幅広い年齢層の人たちが参加している「パラ草の会」の取り組みについてご紹介します。
またパラスポーツを知ることで、その魅力に気づいたり、障がいに対して新しい発見ができたりすることについても話していこうと思います。
[目次]
・東京2020パラリンピックをサポートする「パラ草の会」とは?
・東京2020パラリンピックをサポートする「パラ草の会」の設立のきっかけ
東京2020パラリンピックをサポートする「パラ草の会」とは?
「東京2020パラリンピック競技大会の会場を満員に」を合言葉に、渋谷区からパラスポーツを盛り上げることを目的として活動している団体です。
平成30年から活動を始め、現在は約850名の会員がいるそうです。
東京2020パラリンピックをサポートする「パラ草の会」の設立のきっかけ
平成27年に行われた区民意識調査で、「東京2020大会にどういった形で参加したいですか」と言う問いに対して、
「オリンピックの各競技大会に観戦」と答えた人は39.5%に対し、
「パラリンピックの各競技大会に観戦」はわずか5.7%という結果でした。
この結果を受けて、「パラリンピックの競技会場に観客は入るだろうか」という不安と、「パラリンピックをみんなで応援したい」という想いから「パラ草の会」を立ち上げたそうです。
東京2020パラリンピックをサポートする「パラ草の会」の活動内容
「パラ草の会」の活動内容は主に以下の通りです。
この中で
「解説付きリアル観戦ツアー」、「渋谷運動会」、「ハード・ソフトのバリアフリー化の推進」の3つについて、以下に活動の詳細について説明していきます。
解説付きリアル観戦ツアー
渋谷区内で行われる「車いすラグビー」、「パラ卓球」、「パラバドミントン」の渋谷区長杯大会やエキシビションマッチを会場で観戦できるイベントです。
会場で観戦をして事前にルールや選手を知ることで、東京2020パラリンピックをより楽しむための企画です。
例えばルールでは、障がいに応じてチーム編成や点数が変わることを知れます。
渋谷運動会
「渋谷運動会」とは、障害のある人・健康な人・大人・子供が皆でパラスポーツを楽しむイベントです。2020年は3月8日(日)に開催するそうです。
今年の開催する競技は以下を予定しているそうです。
- ボッチャ(離れた場所からボールを投げて、目標とする白い球にどれだけ近づけるかを競う競技です。)
- ブラインドフェイシング(車いすに乗って行うフェイシングです。)
- 気付きのリレー(二人三脚や車椅子などでつなぐリレーです。)
- 片足缶ぽっくり(缶ぽっくりとは、空き缶と紐をつないでその上に足をのせて歩く遊びです。)
- 全身じゃんけん(その名の通り、全身で行うじゃんけんです。グーチョキパーのやり方は、たぶんリンクの通りだと思います。)
昨年行われた第1回大会には約200人が参加したそうです。
ハード・ソフトのバリアフリー化の推進
この活動内容は、渋谷区が発行している障害がある人とのコミュニケーションブック「daijobu book(ダイジョウブ ブック)」を使ったワークショップやパラリンピアンとの交流会を行っています。
例えばパラリンピアンの交流に関しては
元パラ陸上競技選手の花岡伸和さんと子供たちとの交流会などが実施されました。
花岡さんは「障がいは不便だけど不幸ではない。僕はパラスポーツをやっていて、とても充実しています。」と話されていました。
この交流会を通して、スポーツをする楽しさは、障がい者も健康者も同じであることを気づかせてくれたようです。
パラスポーツの魅力とは
インタビュー記事の中で語られていたパラスポーツの魅力について触れていこうと思います。
実際に観戦すると、イメージしていたものよりもアクティブでアグレッシブだと気づく
車いすラグビーはぶつかった際の衝撃で車いすのタイヤがパンクして、試合中に交換する場面もあるとのことです。
このような試合の裏側のドラマも、実際観戦することで知れる魅力の1つです。
また、パラ卓球やパラバドミントンも緊張感や瞬発力がダイレクトに伝わってきて、白熱した試合を見ることができるそうです。
子供たちの障がいに対する理解を深める機会となる
パラスポーツのルールや選手について知ることによって、「人にはそれぞれ個性があること」と、「みんなで協力すればより良い世界を作っていけること」を学んでいると話されていました。
パラスポーツと触れ合うことは障がいの理解のきっかけになるのです。
また、インタビューを受けた内の1人である橘高さんは、
以前、ある小学生が車いすの人に
「僕が手伝ってあげたら、あなたは不便じゃないよね?」
と話しかけているところを見たそうです。
その子供が「障がいは、「人」ではなく「社会」にある。それを助けられるのは自分である」と言うことに気づいたのではないか?と感じたそうです。
障がいを持てば生活が不便になることもありますが、周りの人のサポートによってその不便さは軽減できるのだと学びました。
最後に
「パラ草の会」の行っている活動は、渋谷区の掲げている「ちがいを ちからに 変える街」のテーマに一致した取り組みだと思いました。
彼らの取り組みによって、より多くの人がパラリンピックを応援してくれるようになれば、大人も子供も、障がいを持った人も健康な人もすべての人が、一人一人の個性を活かしてさらに交流しあえる社会が作り上げられるのではないかと思いました。
渋谷区ニュース
[記事URL]
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/assets/com/shibuyanews_20200215p1-3.pdf
[発行] 渋谷区
[編集] 広報コミュニケーション課
[No] 1430