イライラちゃんとドキドキのブログ

読書や勉強に関することや、習慣や集中の方法などの記事を書いています。

「ハエ」の会社でCEOを務める虫嫌いなシングルマザーが大切にしていること  ~株式会社MUSCA 暫定CEO 流郷綾乃さんについて~

[はじめに]

株式会社MUSCAという企業があります。

この会社は「ハエ」の有機廃棄物の処理能力を利用した世界の食糧危機を救う事業を行っています。

 

「スタートアップバトル」という、新しい事業を立ち上げた若い企業同士がプレゼンで競い合うコンテストがあります。

株式会社MUSCAは2018年に開催されたこのコンテストに出場し優勝しました。

その時に壇上に立ってプレゼンをした暫定CEO(最高経営責任者)の女性について紹介します。

 

こちらがその時彼女が行ったプレゼン動画となります。

 

www.youtube.com

 

名前は流郷綾乃さんです。

当時20代だった彼女は株式会社MUSCAの暫定CEOに就任しました。

そして、彼女は二児の母親でもあります。

 

もともとは、商品を宣伝するPRの仕事で広報部に所属していた彼女ですが、株式会社MUSCAと出会い、事業内容が社会に大きく貢献することや、ハエの面白さを知ったことがCEOになるきっかけとなります。

 

 

[この記事で伝えたいこと]

今回の記事を通して言いたいことは、

「自分や誰かのために我慢して嫌な仕事を続けても、将来的に自分や誰かのためにはならない。」

ということです。

 

20代でCEOに就任した彼女の人生は順風満帆に見えます。

しかし、母親として、そして仕事人として彼女の人生は常に挑戦と決断の連続だったと思います。

何度も壁にぶつかりながらも突き進むことができるのは母親として子供の将来のために誇れるような仕事をしたいという強い思いがあるからだと思います。

 

流郷綾乃さんのインタビュー記事を読んで、彼女の考え方や、広報の仕事からCEOになった経歴を知りました。

そこから「自分や誰かのために我慢して嫌な仕事を続けても、将来的に自分や誰かのためにはならない。」と思った理由をご紹介します。

 

 

[理由]

  • 「一般的○○象」という世間が思う一般常識に無理して自分を当てはめる必要はない
  • 嫌なことから逃げてもいい
  • 子供が80歳になった時に、これって面白いのか?を考える

 

 

 

・「一般的○○象」という世間が思う一般常識に無理して自分を当てはめる必要はない

 

「社会人ならこうあるべき」や「母親ならこうあるべき」などの「一般的○○象」を自分で作り上げるのは、よくないと話していました。現実とのギャップに苦しんでしまうからです。

 流郷さん自身も母親としての一般象にとらわれてしまい、苦しくなってしまうことがあるようでした。

 

人は自分とは異なる時間、環境に生きているのだから、誰かが他人に対して○○象を作ってしまうことも、もったいないと考えているようでした。

 

 他の誰かが将来のビジョンを用意してくれないと不安に思ってしまう人もいることを認めつつ、「もっと自由に生きられるんだよ」という思いを話されていました。

 

 

流郷さんが言っていた「一般的な○○象」というのは、誰にでも一度は囚われてしまう概念だと思います。

 

自分の身の回りの組織・集団、またはテレビや雑誌では、魅力的なビジネスマンや、何の欠点もない美女などの情報がいつでも入ってきます。

 

 それらの情報を知ると劣等感を感じ「自分もああなりたい」という願望を抱く人が多いと思います。さらに、自分がなりたい理想像を作り上げて、理想像と現実とのギャップを比較してしまいます。

 

その結果、現実の自分が理想よりも劣っていることを実感し、人は不足感を抱いてしまうのです。

 

 

嫌なことから逃げてもいい

f:id:o-atsushi:20191110143059p:plain

流郷さんの社会人として最初の仕事は営業をされていたそうです。

しかし、お客さんに電話をかけようとすると手が震えるほど営業が苦手だったそうです。

 

そこで自分から電話をしなくても商品を買ってくれるためにはPRをすればいいと考えました。

それがきっかけとなりPRの世界にのめり込み、営業からPRの道に切り替えた経緯があります。

 

 

慣れない営業に頑張ってしがみつく選択もあったと思いますが、PRの道を切り開けたのは嫌な営業から逃げたからだと思います。

嫌なことでも我慢するのが当然という考えが根付いている会社もありますが、嫌なら逃げて、自分が興味を持ったところに挑戦するのがいいと思います。

 

逃げるかどうかの基準は、自分が絶対に譲れない大切な目標を決めて、それを達成するための別の方法を考えられるかどうかだと思います。

 

お金を稼いで安定した生活が目標であれば、今の会社で働き続けることだけが手段ではないので別のお金の稼ぎ方を調べてみる、といった感じです。

 

 

子供が80歳になったときに、これって面白いか?を考える

f:id:o-atsushi:20191110143158p:plain

子供が生まれてからは、自分のためではなく、子供や誰かのためになるようなことを選ぶといった考えの変化があった流郷さんですが、自分がやる、やらないという判断の基準にしていることは「子供が80歳になったときに、これって面白いか?」ということだと言っていました。

 

株式会社MUSCAを知った時、最初はハエに対するネガティブなイメージを連想してしまいがちですが、よく聞くと将来の可能性を感じて面白いし、非常に社会的に意義深い取り組みだと話していました。だからやるというのが決断の基準のようです。

 

どんなに楽しい仕事をしていても、辛いと感じる時や、頑張らないといけないときは必ず来ます。

そんな時に嫌だと思ってあきらめてしまわないように、基準は、「自分が面白いと思っていることか?」「この仕事は将来社会に貢献するというイメージができているか?」と問いかけてみるのがいいと思います。

 

また、子供を持つ親としては楽しくない仕事をして、疲れて切った顔を子供に見せても、子供にとってプラスにはならないと思っているはずです。

 

そのような楽しくない仕事を将来、自分の子供にしてほしくないだろうし、楽しくない仕事をしている親の姿を子供が見ても、子供は幸せを感じないと思います。

 

 

[最後に]

彼女のインタビュー記事を通して株式会社MUSCAの事業内容について知りました。

選別交配を繰り返したハエを使用して有機廃棄物の処理を短縮し、肥料や飼料の生成を実現させる面白い取り組みは、面白さと魅力を感じさせます。

 

流郷さんはCEOを引き受けたことに対して、事業の認知を広めていくために自分がCEOをやることにメリットがあると考えて引き受けたのであり、自分の役目が終われば次の人に役目を渡す覚悟があると言っていました。

会社の成長に合わせて、その時その時に必要とされる人がCEOになればいいと言う考えです。

 

母であり、虫嫌いであり、ハエの会社のCEOであり、そんな肩書もPRの材料として武器にする彼女は真面目であり、合理的であり、なにより今を楽しんでいると思います。営業、広報、そしてCEOまで務めた彼女が次にどんなことに挑戦していくのかな?と楽しみでもあります。

 

今の社会は様々な業種や働き方が増えてきており、多種多様な考え方をする人を必要としている時代だと思いますので、今の仕事がつまらなく楽しめていない人は、一度、勝負する角度を変えてみると、流郷さんのように新たな発見があるはずです。

 

よく「今逃げたらずっと逃げ続ける人生だぞ」と言う人もいますが、自分の大切な目標のために全力で逃げるなら、逃げ切っていいと思います。

 

 

 

[参考記事]

ハエを扱う企業で「暫定CEO」の29歳・流郷綾乃 (1/3):日経doors

流郷綾乃氏(株式会社ムスカ )にインタビュー|プロフェッショナルのターニングポイント

2児の母が昆虫テック企業の「暫定CEO」になるまで #NEXT_U30 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)